昨年の沖縄・名護キャンプ。プロ1年目の大谷翔平(19)を見た首脳陣のひとりは「器用貧乏なのかもしれない」と言った。
投打ともソツなくこなすものの、いずれもプロとしては平均点。打者として中田ほどのパワーを発揮するわけでもなければ、投手としても球は速くても、かつてのダルのような制球力を持ち合わせているわけではない。投打とも中途半端に終わってしまうのではないかという不安はしかし、1年あまりで吹き飛んだ。
少なくとも投手に関していえば、ローテーションの柱として一本立ちしつつある。
18日の阪神戦は8回を1安打、無四球11奪三振でピシャリ。球速も3試合続けて160キロをマークし
た。完全試合を逃れるのがやっとだった和田監督は、こう言って舌を巻いた。
「オープン戦のときと全然違う。いいピッチャーじゃなくて、スゴいピッチャー。ストレートはもちろん、変化球でもストライクが取れる。的を絞ったけど、攻略できなかった」
■オープン戦とは別人
3月8日のオープン戦で5回を2安打1失点だった投手とは、まるで別人だったということだ。
確かに今季、先発ローテ入りして以降の大谷の成長には目覚ましいものがある。変化球でストライクが取れるようになっただけでなく、要所で使う140キロ台のフォークは手の内に。コンスタントに150キロを超す速球も、コーナーに投げ分けられるようになってきた。
試合後の本人が「試合前のブルペンで(球が)バラけていたし、調子自体は良くなかった。けれども、試合で修正して粘れた」と言うように、修正能力も上がった。
それもこれもプロ2年目で、体ができてきたことと無関係ではない。なんでもソツなくこなせる器用さにパワーが加わって、投手としてひと回りもふた回りもスケールアップした。
「この2年で何かが前に進み始めたね。どう成長したのかを甲子園で確認したかったと思う」とは栗山監督だ。
本日の逸品
今年もこの季節がやってまいりました。
一年あっという間です。
活はも
走りの活はもをご笑味下さい。