王者スペインが、大会7日目でまさかの「アディオス」だ。しかも、世界を席巻した華麗なパスサッカーを披露することなく、グループリーグ(GL)2試合で7失点という無様な負けっぷりだった。
チリの先制点は電光石火だった。前半20分、カウンター攻撃からFWアレクシス・サンチェスのスルーパスに反応したMFアランギスが、ペナルティエリア右手前からグラウンダーのクロスを入れると、FWバルガスがファーストタッチでGKカシリャスを冷静にかわし、右足でネットを揺らした。
同43分には追加点。エリア右手前からサンチェスが放ったFKが一度はカシリャスに弾かれたものの、こぼれ球をアランギスが豪快に蹴り込み、前半でスペインに引導を渡した。
スペインはオランダ戦惨敗後、デル・ボスケ監督が「いくつかの変化はあるだろう」とメンバー変更を示唆したとおり、司令塔のシャビを外して臨んだが、完全に裏目に出た。チリの激しいプレスに、お家芸である中盤でのパス回し“ティキタカ”が機能しない。2点リードされてからはチリにエリア前を固められ、逆にカウンターを食らってアタフタ。チリ選手の足が止まった終盤は、エリア前に何度も攻め入ったが、無駄なパス回しばかりでシュートに繋がらなかった。
2.MFシャビに代わる司令塔不在
「チリ戦でシャビ役を任されたイニエスタは、シャビとコンビを組んでこそ生きるタイプ。適任ではありません。務まるとすればセスクでしたが、最後まで起用されなかったということは、やはり調子が良くなかったのでしょう。シャビのいないスペインは、まるで別のチームでした」
3.ジエゴ・コスタのCF起用
「W杯開幕前の1カ月に2度も肉離れを起こしたジエゴ・コスタは、周囲との連係を深める時間がまったくありませんでした。それでも起用され続けたのは、フェルナンド・トーレスやビジャらベテランフォワードが不調だったのでしょう」
これまで大一番での采配がことごとく当たってきたデル・ボスケ監督だが、ジエゴ・コスタという“賭け”は凶と出た。02年日韓大会のフランス、10年南ア大会のイタリアに続き、欧州のW杯前回王者が3大会続けてGL敗退だが、2戦目での敗退決定はスペインのみ。W杯とスペインサッカーの歴史に、ありがたくない記録を残してしまった。
「選手たちのショックは大きい。9月には16年欧州選手権の予選が始まりますが、スペインはデル・ボスケ監督の去就も含め、チームづくりに苦しむでしょう」(鈴木氏)
栄華を誇った無敵艦隊。ブラジルで負った傷は、あまりにも大きく、そして深い。
本日の逸品
言わずと知れた
熟成 いってつカレー
暑い日にはこれですね!
汗かいてご笑味下さい。