11月解散がいよいよ決定的になってきた。自民党の茂木選対委員長は「いつ解散があってもいいように選挙の準備をする」と記者団に答え、公明党の支持母体「創価学会」も、選挙に備え急きょ、11日幹部会を開いた。
もともと官邸サイドが意図的に流した「解散風」だったが、官邸の思惑通りの展開か、というとちょっと違う。「解散風」に野党がビビるどころか、予想に反して野党の“選挙協力”が実現しそうなのだ。
自民党のなかで「年内解散」が広がったのは、野党の選挙準備が整わないうちに選挙をすれば勝てる、という計算があったからだ。ところが、この読みは裏目に出た。
「選挙協力は時間をかければ進むというものじゃない。むしろ時間をかけるほど、それぞれの政党の候補者擁立が決まり、候補者調整が難しくなる。でも、いま解散になったら、候補者の決まっていない空白区も多いから野党の候補者調整は比較的スムーズにできる。なにより、野党の幹部は“乱立したら勝てない”という危機感を共有しています」(政界関係者
■東京選挙区では統一候補擁立
選挙協力の余地が大きいのは、民主党が全295選挙区のうち候補者を130人程度に抑えていることだ。残り160選挙区は、ほかの野党に譲る方針でいる。野党第1党の民主党が半分近くの選挙区を譲ればほかの野党も文句はない。
すでに東京選挙区では、12区(青木愛=生活)、14区(木村剛司=生活)、15区(柿沢未途=維新)、19区(山田宏=次世代)の4選挙区で野党統一候補を擁立するという話が水面下で流れている。
「週刊文春」のシミュレーションによると、野党の選挙協力がもっともうまくいった場合、自民党は232議席にとどまり、単独過半数を割るという。選挙協力が成功するかどうか、カギは野党第2党の「維新の党」が、応じるかどうかだ。橋下徹は民主党を毛嫌いしている。
「もし、大阪の19選挙区で野党候補が乱立したら、維新候補は自公候補に全敗しそうです。でも、野党結集ができれば、11勝8敗になる。橋下徹市長が、お膝元の大阪をどう考えるかです。大阪での勝利を最優先するなら、ほかの選挙区では民主党に協力せざるを得ないでしょう」(大阪府政事情通)
すでに「11月20日解散―12月14日投票」という具体的なスケジュールも流布されている。野党の選挙協力が成功すれば、激戦になりそうだ。
本日の逸品
こういう寒い日には
かす汁
温まります。
京都・圓光寺の庭