かつては紅白と並んで年末歌番の一大イベントだったTBSのレコード大賞。「え? レコード大賞ってまだあるの?」と思ってる中高年がほとんどだろうが、今年も30日に4時間超えの生放送でやるらしい。
歌謡曲全盛の70年代には視聴率40%台(77年には50%!)、85年までは30%をキープした。
「ピンク・レディーかな、沢田研二かな、八代亜紀かも?」なんて、学校や職場で話題になるほどのコンテンツだった。それが89年からはずーっと10%台と低迷。大賞の歌を知らない(興味もない)人が増えたから、誰が受賞しよーがどうでもいい。ヒトケタまで落ちないのは「歴代受賞曲ダイジェスト」など懐かし映像を挿入して、往年の歌謡曲ファンを楽しませてるからじゃないか?
「いい加減やめろ」「レコードがもうないのに、なんでレコ大って名前なんだ!」と批判されるのに、なぜ続いているのか。
「レコ大はずっと、レコード会社や各プロダクションのためにやっているようなもの」
業界の人に聞くと、たいていそんな答えが返ってくる。レコ大に限らず年末の歌謡祭の共通点だ。売れてもいないのにブッキングされたり、特定の芸能プロ系の歌手がズラッと並んだりするのが当たり前。その年の各プロダクションのパワーバランスによって構成されている感じだ。視聴者置き去りの作り!
「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)は若者に人気のアイドル、アーティストが勢揃いするから華やかで、レコ大や有線大賞に比べれば、まだバランスがいい気がするけど。
今どき、受賞の瞬間を盛り上げようとして、大げさに演出するのも時代錯誤で笑える。ガラケーならぬガラコン(ガラパゴスコンテンツ)なのに。
ま、年の瀬につけっぱなしのテレビに映っているだけだからどうでもいいけど、各プロダクションをヨイショする意味でも局はこの先も続けてしまうだろう。せめて、CD大賞に変更してほしい。
(作家・松野大介)
今日の逸品
京野菜炊き合わせ
早出の筍もあります。
京都中央市場も今日でセリが終わりました。
皆様一年お疲れ様でした。