【渡辺監督】

 

1月19日(月)

皆さんこんにちは。

風が強く肌寒い一日です。

今日の記事 

意外でした・

横浜高野球部を支える 渡辺監督「裏」の顔

 同級生の渡辺元智監督の話をしよう。辞める時は一緒だとどこかで思っていた。2人ともに70歳だが、やはり同時には辞められなかった。渡辺なくして横浜高校野球部は成り立たない。渡辺は私に野球の指導に専念させてくれた。ただ、それだけで部は運営できない。金がかかるからだ。

 横浜高校は野球学校だから、資金も潤沢にあると思われがち。だが、それは違う。野球部の成績に学校は一切口出しをしない代わりに、金銭面もシビアなのだ。

 学校からの支給は年間「60万円」。これはバットやベースなどの備品を買い替えたら終わってしまう額だ。全国では300万~500万円を学校が補助する強豪校もある。真偽は定かでないが、かつて全盛期だった頃のPL学園は、500万円以上だったと聞いたことがある。

「親に負担をかけない」という学校方針で、部費も月に「1000円」に抑えている。年間1万円を超える程度だから、他と比べても格段に安い。だいたい月5000円が相場。少子化で部員が少ない今どき、少年野球でも月に1万円なんてザラ。部員が卒業していく時、父母は「横浜高校は私立なのに、こんなにお金がかからない野球部は聞いたことがありません」と一様に驚くのだ。

ボール代だけでも1年で100万円ほどかかる。甲子園に出場すると、プロ野球選手になったOBが寄付をしてくれるため、「とにかくボールを頼む」と依頼した。グラウンドの芝生の維持にも100万円。年末になると私は部員と一緒にバックスクリーンなどのペンキ塗りをやった。もちろん経費削減のためだ。60万円では、普通にやっていたら大赤字になってしまう。

 渡辺は長年、野球部を支えるために金策に奔走していた。夕方、私に「絶対に殴るなよ」と言い残して練習を早退すると、横浜の企業の社長などが集う「横浜友達会」の会合に頻繁に顔を出した。財界人との人脈を築き、金銭面から野球部を応援してもらうためだ。

 長く援助してくれた横高野球部OBで1期生の高僧とも深く付き合った。有力OBで大先輩でもある。誘いには二つ返事で応じ、朝まで酌を交わすこともたびたびあったようだ。翌日は授業も練習もあるというのに、身を粉にして人と付き合った。
選手寮の食事を仕入れる横浜の市場も、渡辺との関係で通常より何万円も安くしてくれている。野球部後援会長との付き合いも深い。

 酒席が苦手な私には絶対にできない。いつも頭が下がる思いで渡辺を見ていた。彼が人格者といわれるのは、こういう“裏の顔”にあると思う。


今日の逸品  

赤貝 

肉厚でおいしい。
市場の魚屋も寒くて大変です。