なぜこの時期に、である。
4日昼、安倍首相は、読売テレビ(日本テレビ系)の2番組に出演するため大阪入りした。関西ローカルのバラエティー「そこまで言って委員会」の収録(放送は6日)後、「情報ライブ ミヤネ屋」に生出演。コメンテーターの質問に答える形で、安保法案について、ホルムズ海峡の機雷掃海など既に破綻している毎度の説明を繰り返した。
国会会期中、安保法案審議が大詰めを迎える中、東京から中継で出演する方法だってあるのに、安倍首相はわざわざ大阪まで出向いたのだ。それも、午前11時すぎに羽田空港から伊丹へ飛び、午後7時前に羽田へトンボ返りという強行スケジュール。大阪といえば「維新の会」と橋下徹の本拠地だ。分裂と新党騒動の真っただ中だけに、「すわ、橋下氏と会うのか」とメディアは色めきたった。
「大阪行きは以前から狙っていて、国会日程をみながら数日前に急きょ決まった。目的はテレビ出演ですよ。でも、このタイミングで大阪入りした意味は深い。維新から分裂して新党を結成する『大阪系』に『頼りにしていますよ』というメッセージになる。安倍さんと大阪系維新との距離感の近さを見せつけることになる」(官邸事情通)