アルコール依存症患者のうち、4人に1人は60歳以上。定年退職後に依存症になりやすい人は、現役会社員の頃からある程度予想がつくという。
国内のアルコール依存症患者は約80万人。疑いも含めれば、440万人とされる。
「定年は人生における最大の転機。我々の連盟に相談をしてくる高齢者は確実に増えています」
こう話すのは、公益社団法人「全日本断酒連盟」事務局の大槻元氏だ。同連盟は、一人では酒を断ち切れない人たちを支援している。
「ただし、いきなりアルコール依存症になる人はいません。例えば、現役の頃に広報マンをやっていて、酒が仕事と密接に結びついていた人。ゴルフ場で昼からビールを飲んでいるような人。友人は多いが、その全員が飲酒するといった人は気を付けた方がいいでしょう。確実なことは言えませんが、40代、50代の現役の頃の生活スタイルを見れば、性格的な面も含め、アルコール依存症になる人はある程度見分けられます」(大槻氏)