【男の顔は履歴書】

3月20日(月)

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今日の記事 

「仁義なき戦い」の俳優がどんどん逝ってしまう

「男の顔は履歴書」とはよく言ったもの!

周りを生かす俳優だった(C)日刊ゲンダイ

周りを生かす俳優だった(C)

 渡瀬恒彦が亡くなった。2015年から胆のうがんで闘病中だったが、4月から「警視庁捜査一課9係~シーズン12」(テレビ朝日系)も始まるので、てっきり快方に向かっていると思っていたのに、兄・渡哲也がマスコミに宛てたファクスによれば「ステージ4、余命1年の宣告を受けていた」とか。72歳といえばまだ若い。本当に残念でならない。
 多くの作品に出演しているが、最近は「おみやさん」や「9係」などもっぱら刑事役のイメージが強い。どちらもシリーズ化され、「相棒」の水谷豊同様、テレ朝“刑事ドラマ”興隆を支えてきたひとりである。
 それ以前の例えば「十津川警部」シリーズでも多くの俳優が十津川警部を演じているが、渡瀬と伊東四朗のコンビが一番しっくりしていた。
 主演ドラマにシリーズ作品が多いということは、確実に数字が見込める俳優だということ。主演ながら自分だけが目立つのではなく、周りを生かす俳優でもあった。

遡ると、70~80年代はコメディー、ホームドラマ、恋愛もの、時代劇、ジャンルを問わずやたらとドラマに出演していた印象がある。最近、橋本環奈の「セーラー服と機関銃」を見てこれはお口直しをせねばと、TSUTAYAで薬師丸ひろ子版を借りて見たら、薬師丸もさることながら、若頭役の渡瀬がカッコいいこと! その頃よりも今の方がさらに渋みも出ていい顔になっている。男の顔は履歴書とはよく言ったものだ。
話は戻るが、これまでテレ朝に貢献してきた渡瀬に敬意を表してか、16日の「徹子の部屋」は予定を変更し、3年前に番組に出演した映像を流し、追悼した。3年前はこんなに元気だったのにとさらに悲しみが増す。
それにしても、1月には松方弘樹、そして、今、渡瀬が……。70代の男性俳優がどんどん減っていくような。酒豪の松方はともかく、渡瀬はあきらかに働き過ぎではと思われる。ちなみに渡瀬と同年代の俳優には平泉成(72歳)、古谷一行(73歳)、前田吟(73歳)、高橋英樹(73歳)あたりがいるが、高橋などは今やすっかりバラエティータレントだし、主演ドラマをいくつも抱えているのは渡瀬くらいのもの。やはり長生きのためには、適度なガス抜きが必要なのだろう。先日「徹子の部屋」に出ていた加山雄三はお肌もツヤツヤ、元気はつらつだったから。
替えのきかない唯一無二の俳優だけに、渡瀬亡き後の「9係」がどうなるのか心配でならない。

 

桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

 

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