【スカウティング術】

4月4日(火)

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今日の記事 

こうした努力で甲子園で勝てるチームをつくりあげてるんだな

監督自ら50回通って選手を獲る。

大阪桐蔭の土台は徹底したスカウト。

posted2017/04/03 17:30

 

春・夏あわせて5回の優勝を大阪桐蔭にもたらした西谷浩一監督。強いチームの土台は、スカウトにあるのだ。

春・夏あわせて5回の優勝を大阪桐蔭にもたらした西谷浩一監督。強いチームの土台は、スカウトにあるのだ。

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Kyodo News

今選抜大会の決勝でぶつかった大阪桐蔭と履正社は、他チームと比べると、選手の力が抜けていた。しかし両チームとも、二言目にはこう言う。

「個々の力は向こうが上。我々はチーム力で戦うしかない」

 もちろん、そう発言するものだろう。ただ、「日本最強の中学リーグ」、ボーイズリーグに所属する名門チームの監督は、こう客観的に語る。

「両チームは、今や昔のPLと一緒。中学のトップクラスは、どちらかのチームに行っている。あの2校がどーんと抜けてる。履正社も、桐蔭も行けない子が、他府県に行くような感じですね。選手層が厚いので、誰が出ても遜色ない。紅白戦をやってる方がずっとレベル高いんじゃないですか。控え選手でも、甲子園に出ているような他のチームの4番は十分、務まりますよ」

 アメリカではコーチングにおいて、もっとも重要なのはスカウティングであると言って憚らない指導者もいる。しかし日本では、特に高校野球においては「スカウト=勝利至上主義」との印象が強いのか、スカウトに励む指導者は非難や中傷の対象になりがちだ。

 そんな中、大阪桐蔭を率いる西谷浩一はチーム作りにおいて、スカウティングの重要性を誰よりも理解している指導者だと言っていいかもしれない。

「西谷さんほどマメな監督はいない」

 前述のボーイズの監督が言う。

「勝手に集まると思ってる人もいるかもしれませんが、西谷さんは、自分で動いているんです。体の割にフットワーク、軽いんですよ(笑)。あんなにマメな人はいないんじゃないですか。これだと思ったら、毎週でも来る。履正社は、年配の人が回っている。そして最後に監督の岡田(龍生)さんがくる。どこのチームも監督が来るとしたら、最後ぐらい。西谷さんほど動く監督は、おらへんでしょうね」

 その監督が、西谷はかつてPL学園にいた伝説のスカウトマン・井元俊秀を模範にしているのではないかと続ける。

「西谷さんがまだコーチの頃、井元さんが回った高校に、西谷さんも行っていた。『次、どこ行かはるんですか?』って。そこに行けば、必ずいい選手がいるからです。井元さんもフットワークは、すごく軽かった」

中田翔のときは、広島に40、50回通った。

 社会科の教師でもある西谷がスカウト活動に当てられる時間は、基本的に週1日、土曜日の午前中だけだ。午後からは練習があるため、ノックが始まる午後2時までにはグランドに戻る。西谷が言う。

「土曜日は朝6時前後に家を出れば、近場なら3、4チームは見て回れる。最初の選手は1打席目だけ見て、次のところへ行ったりする。そうして何度も顔を出すことが大事」

 広島出身の中田翔(日本ハム)を獲得したときは40、50回は広島に通ったという。金曜日の終電で広島へ移動し、ビジネスホテルに宿泊して、翌日は早朝から中田を見て、午前11時広島発の新幹線で大阪へ戻った。

 西谷は、もっとも獲得したい中学生のことを「ドラフト1位」と呼ぶのだが、そうして40、50回通い、最後の最後で振られたことも一度や二度ではない。

「そりゃもう、がっかりっすよ。でも、それはよくあること。私は本気で好きになった選手は違う高校に行っても気になるんです。どんな選手になってるのかな、と」

「沖縄にいたらしいですね」と嘘情報が流れることも。

 また、寮のない履正社のスカウト網は近畿圏だけにとどまるが、寮を完備する桐蔭の活動エリアは西日本までを網羅している。

 再び、ボーイズの監督の話だ。

「情報網がすごい。いろんな人から情報もらってる。九州なんて、お手のもんですから」

 そうした話に尾ヒレがついて広まっていくのだろう。かつて西谷が「行ってもないのに『沖縄にいたらしいですね』って言われた」と苦笑していたが、もはや、そうした虚偽の出没情報が流れることは日常茶飯事らしい。

 浅村栄斗(西武)は、大阪桐蔭の強さの秘密をこう語っていたことがある。

「どんなにうまい選手でも入学したときは、レベルの高さに圧倒される。だからレギュラーになるだけでも必死。その中で、自然とうまくなっていく」

 大阪桐蔭は一流の素材が、やらされるのではなく、自らやる。強くならないわけがない。

 

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天婦羅もできます。