【北のシナリオ】

4月29日(日)

皆さんこんにちは。いいお天気です。今日の記事

今回はどこまで本気かな?

約束保護をするから油断ならない

南北会談 文在寅大統領を手玉に取った金正恩のシナリオ

男2人で“ベンチ会談”(C)AP

男2人で“ベンチ会談”(C)AP

 すべてシナリオ通りだ――。

こうほくそ笑む姿が目に浮かぶ。11年ぶり3度目の南北首脳会談は北朝鮮が譲歩を迫られることなく、金正恩委員長の思惑通りの結果に終わった。世界は歓迎ムードで、トランプ米大統領も上機嫌で祝福ツイートを連発。もはや誰も史上初の米朝首脳会談を破談させられなくなってきた。

現地で取材するジャーナリストの朴承珉氏はこう言う。

「金正恩委員長の振る舞いは予想以上に丁寧で、韓国世論をすっかり味方につけてしまった。文在寅大統領に対する言葉遣いは礼儀正しく、常識人という印象を与えた。その一方で抜け目がなかったのが、会談冒頭の挨拶。〈失った11年〉を強調し、〈いくら良い合意や文書が発表されても、きちんと履行されず、良い結果に発展しなければ期待を抱いた方々をむしろ失望させる〉と言及した。これは前回の南北首脳会談で盧武鉉大統領が金正日総書記に約束したインフラ整備を中心とする経済協力の不履行を指しています。当時、側近だったあなたが大統領になったのだから着実に実行してください、という含みのある発言です」

トップ会談はおおむね予定通りに進行。板門店宣言では▼年内に朝鮮戦争の終結宣言をし、休戦協定を平和協定に転換するための会談を推進▼文在寅大統領が今秋に平壌訪問▼敵対行為の全面禁止――などで合意した。もう文在寅は金正恩を裏切れない立場となった。

注目を集めたのが、秘書もカメラマンも遠ざけ、2人きりで30分にわたって議論した“ベンチ会談”だ。

「2人の位置取りが絶妙で、手前に腰かけた文在寅大統領は望遠レンズで撮影するムービーカメラに背を向け、口元がまったく見えなかった。文在寅大統領はトランプ大統領と3回会談し、頻繁に電話でもやりとりしています。金正恩委員長に米国側の感触を率直に伝え、今後の段取りを協議したとみられています。金正恩委員長の表情はみるみる真剣な顔つきに変わっていきました」(朴承珉氏)

韓国は米朝会談の成功を全面的にバックアップするつもりだ。

会談終了後、国際社会も祝福一色に染まった。中でも前のめりなのが米国と中国だ。米国は会談開始直前、極秘訪問したポンペオ前CIA長官(現国務長官)と金正恩のツーショット握手写真を公開し、側面支援。会談終了後にはトランプが〈朝鮮戦争は終わる! 朝鮮半島で起きていることを誇りに思うべきだ〉などとツイート。〈私の親しい友人である中国の習近平国家主席の多大な助力を忘れないでほしい〉ともつぶやいた。

中国も共産党機関紙・人民日報系の環球時報の社説(23日付)で「国際社会は制裁の部分的取り消し、交流の回復を通じ、北朝鮮による情勢安定化への行動を奨励すべきだ」と主張。早期の制裁解除まで求めている。習近平主席は米朝会談前後に平壌を訪問する予定だ。金正恩が訪中した時、米国の軍事攻撃を絶対に阻止すると確約したと言われている。
国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう言う。

「トランプ大統領本人が南北会談の成功を盛り立て、米朝首脳会談の雰囲気づくりに躍起になっている。11月の中間選挙に向けて成果を積み上げたい一心ですから、前提条件を上げてクギを刺してはいるものの、よほどの不測の事態でも起きない限り、米朝会談は実施されるでしょう」

ディールのトランプ、戦略の金正恩。直接対決はさらに見ものになりそうだ。

本日の逸品

真あじ

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鮮度も良いです!