【野菜炒めの境地】
眠れん短信vol.18
■スナックで偶然隣り合ったガンホスピスの名医。お連れさん(全快した患者さん)から離れたとこでタバコを一服して一言「あの人、タバコ吸わんから気使いまんねや」「えっ先生タバコ吸うんですか?」「ストレス溜まりますからなぁ、この仕事は」「なるほど」「ガンはストレスが一番の原因ですねや。ガン細胞はみんな持っててそれを育てる一番の要因がストレス。だから、ストレス溜めるぐらいやったらタバコ吸うたほうがよろしい。吸いなはれ」やて。
■行きつけのスナックのママはバイセクシャルで、その娘もバイセクシャルで、その娘のパートナーは性同一性障害の男性で女装している。その男性は全面工事(性転換手術)を検討中で、ご両親は認めていて、パートナーである娘も認めている。面白いのは、娘が彼のことを「彼女」と呼ぶことで、話を聞いてる側の混乱を招く。ま、それはともかく、性の世界において何が正常で何が異常なんてことはもはやナンセンスであり、こんなことしたら変態であんなことしたら性的異常者で、というのもただの認識の違いである。つまらない「常識」から解放されたら、人生はもっと楽しい。
■たまに無性に野菜炒めが食いたくなり、冷蔵庫の掃除を兼ねて作ったりするのだが、問題は味つけである。中華風にするか、塩コショウでさっと炒めてウスターソースにするか、ポン酢で炒めるという手もある。ちょとだけ味噌を入れるという変化球もあるし、食べるときにコーレグースをかけると途端にチャンプルーに変身したりもする。野菜炒めは偉大である。だからたまに敬意を表して街の中華料理屋で野菜炒めを頼むのだが、これが店によってほんまに千差万別。使う野菜も違えば、味つけも違う。野菜炒めが美味い中華料理屋はたいてい何を食っても美味い。それはほぼ間違いない。

