【ハイパーインフレ】

2月2日(土)

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米国、ロシアが後ろ盾に

大統領が2人いる状態。大変な状況だ

メジャー在籍70人以上…ベネズエラの政情不安が米球界直撃

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ニコラス・マドゥロ大統領(C)ロイター

ニコラス・マドゥロ大統領(C)ロイター

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 ベネズエラを巡る情勢が緊迫している。

昨春の大統領選挙で再選したニコラス・マドゥロが今年1月10日に大統領就任式を行うと、大統領選挙そのものの法的有効性を疑問視してきた米欧とベネズエラとの対立は深まる一方だった。

そして、野党出身の国会議長フアン・グアイドが暫定大統領への就任を宣言すると、米国が直ちに承認し、EUも常任議長のドナルド・トゥスクが「国会はベネズエラ市民の民主的な付託を受けている」と指摘して、グアイドの暫定大統領としての正当性を間接的に認めている。

これに対してマドゥロ政権側は米国との断交を宣言して在米公館の閉鎖を宣言するなど、強気の姿勢を崩さない。

マドゥロが強硬な態度を取れるのは、ロシアや中国が有形無形の支援を行っているからだ。何より、国連安全保障理事会でベネズエラへの制裁が審議されても、常任理事国である中ロ両国が反対すれば致命的な打撃は避けられると読んでいるため、軍事介入も辞さないとされる米国に対して融和的な政策をとることはない。

こうした状況は、球界に直接の影響を与えている。

最初に影響を受けたのは、毎年2月に行われているカリビアンシリーズだ。1949年に始まったカリビアンシリーズは参加する国と地域のウインターリーグを勝ち抜いた球団が中南米球界の覇権を巡って争う、ラテンアメリカの球界にとって最大の催事だ。

だが、大リーグ機構はベネズエラの政情の不安定化とマドゥロ政権による米国との断交宣言により、米国籍の選手や球団職員を含む関係者の安全が保障できないと判断して、ベネズエラへの渡航の自粛を強く要請している。

実際、ベネズエラはハイパーインフレーションに見舞われ、昨夏に通貨呼称単位の変更を行って急場をしのがざるを得ないほど経済状況が悪化している。マドゥロ政権の経済運営の失敗が社会不安を増幅させ、今回の政争に発展しているのだから、今後もベネズエラの状況が直ちに好転することはないだろう。

しかも、米国がマドゥロ政権の転覆のために軍事介入すれば選手や球団職員といった民間人であっても犠牲になる可能性も皆無ではない。米国との対立が長期化すれば、ベネズエラから米国への選手の渡航が禁止されることさえある。

2018年の開幕戦の時点で74人。ドミニカに続いて2番目に多くの外国籍の選手が在籍していたベネズエラが消えれば、2019年の米国の球界はかつてなく大きな衝撃を受けることになるのだ。

鈴村裕輔 アメリカ野球愛好会副代表

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。法政大学社会学部兼任講師。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

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