【グリーンブック】
3月2日(土)
皆さんこんにちは
いいお天気です。
今日の記事
アカデミー賞作品
これは面白そうだ
【坂上忍の白黒つけて何が悪い!】黒人と白人…意識の変化を繊細に積み重ね 粋なラストに思わずニヤリ「グリーンブック」
人種差別問題を扱った作品は散々観てきたし、キャスト陣を見渡しても、そこまでそそられる俳優さんの名前があったわけでもなく…。
ところが、である。いや~、参りました。あっぱれでございました。ヤラれちゃいました。
1962年。セレブな黒人ピアニスト、シャーリーは腕っぷしの強い白人の運転手を探していた。なぜなら、南部を回るコンサート・ツアーが控えていたからだ。
南部といえば、黒人にとっては差別が横行し危険な地域である。だからこそ腕の立つ白人が必要だったのだ。
そこで白羽の矢が立ったのが、ナイトクラブで用心棒を務めていたトニー。トニーは金目当てに引き受けてしまうのだが、実はトニーこそが黒人に偏見を持つ家族に育てられた男だったのだ。
とまぁ、こんな感じで始まっていくのですが、要するにバディ・ムービーですよね。
すったもんだがありながら、最後には友情が芽生えてと…。
ただ、今作はひと味もふた味も違うといいますか、そもそもタイトルである「グリーンブック」なるもの、恥ずかしながらわたしは知りませんでした。
当時、南部では黒人が泊まれる宿は限られており、このグリーンブックに載っている宿に限り宿泊することができたそうなんです。
どこまで差別すればいいんだってことなんですが、ただ、シャーリーはそんな差別にも大人な対応を見せていく。黒人だからという理由だけで袋だたきにされても。
逆にトニーは現実を目の当たりにし、シャーリーを差別する白人たちに対し腹を立てるようになる。自身もどこかで黒人を蔑(さげす)んでいたはずなのに…。
この2人の意識の変化を、ピーター・ファレリー監督は大げさに描くことなく、繊細に積み重ねていくんです。
そして特筆すべきは、冒頭で失礼なことを申し上げましたが、主演の2人ですよね。
ヴィゴ・モーテンセンは、この役のために体重をかなり増量させたと思われます。だらしない中年太りの体形が、マハーシャラ・アリの背が高くてスラっとした立ち姿と対照的でGOOD!
なにより、2人の息がぴったり合って小気味良いんです。
物語のラストも粋でした。思わずニヤッと笑ってしまった。
ただ、改めて思うのは、いまだに人種差別はなくなっていないんですよね。昔ほどではないにしても、今この瞬間も、どこかで誰かが差別を受けている。
歴史の重さ、根深さを感じずにはいられません。
わたし自身も、18歳のときにイギリスに渡った際、数人の白人に袋だたきにされましたから。
路地裏に連れていかれて、「日本人風情が金髪に染めてんじゃねぇよ」って。
はい、生意気盛りだったので、金髪に染めておりまして。でも、だからってね。
白だって黒だって黄色だっていいじゃないの。どんな色をしていようが血は赤いんだからって思えないのかね。
日本も東京オリンピックを控え、さらに外国人の方々が訪れるわけで、日本ならではのおもてなし文化で、気持ち良く迎え入れましょうね。
3月1日公開。今年のアカデミー賞で作品賞など3冠受賞。
■坂上忍(さかがみ・しのぶ) 1967年6月1日、東京都生まれ。俳優、タレント、映画監督、演出家などマルチに活躍。3歳から劇団に所属。多くのドラマに出演し“天才子役”と呼ばれた。
「直撃!シンソウ坂上」「バイキング」「ダウンタウンなう」(フジテレビ系)、「有吉ゼミ」(日本テレビ系)、「坂上&指原のつぶれない店」(TBS系)などレギュラー多数。
本日の逸品
天然しまあじ

またまた入荷ありました。