【ハマのドン】

8月25日(日)

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横浜市が手を上げたから大阪も気が気でないのでは?

「カジノではなくF1とディズニーを」“ハマのドン”が激怒

公開日: 更新日:
会見する横浜港運協会会長の藤木幸夫氏(C)日刊ゲンダイ

会見する横浜港運協会会長の藤木幸夫氏(C)

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■ 泥を塗らせた「ハードパワー」

 「昨日(8月22日)は林さん(文子横浜市長)から顔に泥を塗られました。(山下ふ頭再開発に関する見解と要望への)返事もいただいていいない。その矢先です。林さんに顔に泥を塗られたのだから、林さんに文句を言うのが筋です。なぜなら林さんに泥を塗らせた人がはっきりしていますから」

8月22日に横浜市が山下埠頭へのIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致を表明した翌23日、これを待ち構えていた“ハマのドン”こと藤木幸夫氏は、メディアが会見場であふれる中、怒りをあらわにした。

 会見場は、林市長がカジノ誘致先とする山下ふ頭のド真ん中に建つ横浜港運会館。藤木氏は、荷役会社・藤木企業会長だが、横浜港運協会会長、横浜港ハーバーリゾート協会会長も務めており、まさに横浜「港湾人」のリーダーである。

会見主催者も両団体であり、横浜港運協会全244社が参加する横浜港ハーバーリゾート協会は6月27日、カジノに依存しない再開発計画「山下ふ頭再開発に関する見解と要望」を林横浜市長あてにを提出していた。この計画の三本柱は、国際展示場・見本市、F1などのイベント、ディズニークルーズの拠点化である。

藤木会長が言う「林市長に泥をぬらせた人」については気になるが、具体的には名前を挙げなかった。ただ「何かえらいハードパワーがある」と指摘した。

藤木氏は「ハードパワー」について、小学生の頃、子どもながらに感じた、「女の人はパーマをやめろ」「指輪なんかはずして提供しろ」「政党は解散して大政翼賛会一つにしろ」などといった、戦争につき進んでいたような日本社会の空気だと説明。それが今の日本の空気であるという。

その「ハードパワー」に押される中で、「林さんもよくこれまで我慢したなあというのも率直な気持ちです。普通ならそう電話をしていますが、微妙な時期ですから」と、苦渋もにじませた。

■山下ふ頭は港湾人の聖地

しかしいまや、横浜市と港湾人の立場は真っ二つになった。

「藤木がやることといえば、山下ふ頭を守ることです。山下ふ頭は横浜の公域です。ここで死んでいった人たちがたくさんいるわけです。そういう人たちはね、なにか言いたいと思うんです。死んだ人はしゃべるんです。生きている人の口を使ってしゃべるんです。私がこうやって話しているのも、私のオヤジがしゃべらせているんだな、これは死んだ親方がしゃべらせているんだなと、ふと感じることがあるんです」(藤木会長)

藤木会長の父・幸太郎氏は藤木企業の創業者。

「博打場はやめろよと、私は言わされているような気がします。これは(死人に)責任転換をしているわけではありません。山下ふ頭はわれわれ(港湾人)の聖地です。横浜の将来の良きあり方のためにも、精神的にも物質的にもこれがあるから横浜はいいねえと言われるように私はしていきたいんです」

林市長は大多数を占めるカジノ反対の民意を無視して、市議会とともに強硬姿勢を貫く姿勢を見せている。このままでは強制立ち退きの可能性もなくはないと思えてくる。山下ふ頭の98%は横浜市が所有している。

この点について藤木会長は、「山下ふ頭は横浜市のものなのだから、おまえたち(山下ふ頭の港湾人)がなにかやろうが関係ないっていうでしょう。確かに関係ないのかもしれない。しかし、横浜市がこうだといっても(山下ふ頭のことは)港湾人が決めます。ここはおれたちの場所です」とぴしゃり。

■ギャンブルよりF1やディズニーを

この点については港運協会の水上裕之常務理事も、「強制収用や退去を命ずるのは道路や空港など公共の利益がある場合です。(カジノという)一企業のためにそれをやるというのは論理が立たない」と説明。また横浜市の経済波及効果の説明についても、「カジノが儲かってMICE(国際会議や展示会などのこと)が儲からないという横浜市の説明は、カジノ業者の受け入りです。子どもたちが健全に育つためには、ギャンブルとF1、ディズニーどちらがよいか明らかでは」と指摘した。

藤木会長は、このたび市民運動を起こすことまで考えたというが、横浜の市民それぞれも、IRやカジノ、ギャンブル依存症などを知ったうえで判断したほうがいいとも話し、「おれは命をはっても(カジノに)反対するから。自分にできるのはそれだけ。私はハードパワーと闘うつもりです。しれているけどね」と、独りでも闘い続ける姿勢を改めて表明した。

(取材・文=平井康嗣/日刊ゲンダイ)

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