【楽・苦・美の基礎知識 ロック編】
9月17日(火)
皆様こんにちは。
今日の記事
楽・苦・美(ラグビーの基礎知識)
(第2回)
第二列(セカンドー)ポジション ロック 4番、5番
トンプソンは3回のラグビーW杯出場の鉄人だ
世界レベルでは2M以上の選手がゴロゴロ それでいて80分間走れる体力もある
【今からでも間に合う!ラグビーW杯の基礎知識】
最高到達点は4メートル! 持ち上げられてキャッチする瞬間「めっちゃ気持ちええよ」
いま、都内の街路灯に掛けられているW杯のフラッグ。日本代表最年長の38歳のロック、ルーク・トンプソン(近鉄)がボールをキャッチしている写真が使われている。前回大会の南アフリカ戦のものだ。
日本のFWは見事なリフティング(持ち上げ)でルークを真っすぐ差し上げ、大きな南ア選手よりはるか上方でボールをキャッチしている。ルークの身長は196センチ。持ち上げているFWは180センチ前後だから、合わせると376センチ。これにルークの伸ばした腕の長さを加えると400センチ、つまり4メートルにもなる。
ゴールポストの横のバーの高さが3メートルだから、その上まで到達しているわけだ。スローイングするフッカーとのタイミングが合い、ボールをキャッチする瞬間は「めっちゃ気持ちええよ」とルークは関西弁で言う。
もっとも、10年ほど前までジャンパーを持ち上げたりはできず、その場でジャンプしてボールを奪い合った。長身の外国チームが絶対的に有利だった。それが、ルール改正でジャンパーを他の選手が支えてもよくなり、さらに手を添えて持ち上げるのもOKとなった。そのルール改正が日本に伝わるのが遅く、1999年W杯に出場したロックの田沼広之(当時リコー)は「日本は一人で飛び上がって取りに行っていたのに、諸外国は何人かで持ち上げていた。衝撃でしたね」と苦い思い出を吐露した。
ジャンパーを持ち上げてよいとなると、身長で劣る日本もやりようによっては不利を克服できる。素早く垂直に持ち上げて高さを出したり、タイミングをずらして持ち上げたり…。日本独特のアイデアも生まれた。持ち上げるときに汗などで手が滑らぬよう、ジャンパーの太ももにサポーターを巻き、そこに指が引っかかる布の突起のようなものをつけた。
持ち上げる側のリフターはそこに指を添えて上げれば、滑ることなく一気にジャンパーを高く差し上げられる。このアイデアは元日本代表フッカーの薫田真広(東芝)が考案したといわれ(本人は否定)、あっという間に世界に広まった。
ラインアウトのキーマンであるロックは、スクラムでの押し、またラインアウトからのモール攻撃でも起点になる。2015年W杯戦士のロック大野均(東芝)は、モールからのトライを数多く生み出しているが、「ボールをキャッチしてからモールで誰に渡すかはあらかじめ決めておき、押しながら次々と後ろに送り、最後に参加したフッカーがトライするのが理想」と言う。そして同じロックで4大会連続出場のルークについて「ラインアウトはうまいしタックルも忠実。本当にコツコツと働き、頭が下がる選手」と評する。ルーク・トンプソン、ホンマに頑張れや!
(スポーツジャーナリスト・柏英樹)
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