【最短な言葉】

4月14日(火)

皆さんこんにちは

今日の記事

最短なことばか・・

【桂春蝶の蝶々発止。】女性を口説く、最短の言葉とは何だろう? 桂ざこば師匠、上岡龍太郎さんら3人が論議! 

新型コロナウイルスで重たい話ばかりなので、今日は軽くてどうでもいい話をしましょう。

私の父は噺家で、二代目桂春蝶という人。私は三代目となります。気軽に「上方落語界の金正恩(キム・ジョンウン)」と呼んでください(笑)。

 芸能一家なので、家の中には沢山の芸能人が来られました。例えば、上沼恵美子さんが家に来られて、面白おかしくお話をしながら料理を作ってくださった。リアル「おしゃべりクッキング」を体感できたことは珠玉の思い出です。

一度、桂ざこば師匠と、上岡龍太郎さんと、私の父で「女性を口説く、最短の言葉とはなんであろう?」という論議になりました。

まず、口を切ったのはざこば師匠。女性の目を見て…「ええか?」。これはどうかというと、上岡龍太郎さんが、それは長すぎると言いました。上岡さんが言った言葉。女性の目を見て…「どや?」。これはどうかというと、私の父がそれは長すぎると言いました。私の父が言った言葉。女性の目を見て…「な?」。これはどうかというと「素晴らしい」という話になって最短の口説き方は「な?」。これに決定したのでありました。

この噺を、私は高座でよくしゃべります。笑福亭鶴瓶師匠の独演会に出演させてもらった際にも、この噺をしました。よくウケますからね。

さて、鶴瓶師匠の会には芸能人の方も多数来られます。打ち上げには芸能人の方々も参加されるのですが、私のテーブルには鶴瓶師匠と氷川きよしさん、そして何と、女優の田中麗奈さんがお座りになられた!

私、昔から田中さんのファンで…ずっと緊張していました。すると田中さんの方から私に話しかけてくださったのです。

「春蝶さん、『ええか』『どや』『な』。この三つで、女性が好きな人から言われて本当にうれしいものって何ですかね?」

こんな素敵なご質問をしてくださったんですよ! ところが、人間緊張しすぎると、頭がこんがらがって意味不明なことを言ってしまいます。

「自分で考えはったらどうですか?」

そんなことを言いたいわけではない! 本意でない! 私は何て失敬なんでしょう。でも、そこは女優さん。

「そうですね、じゃあ自分で考えます…。『な』、やっぱりこれがいいかな」

そうおっしゃったので、私は必死に取り繕うように、「あ、やっぱり昔から『なっちゃん』と言われてので、『な』でいいですな」と言いたかったのですが、緊張でカミカミ。何を話しているか分からなかった。

鶴瓶師匠から「春蝶、お前ちょっと休んどけ!」と言われました(苦笑)。

さて、皆さんいま自宅待機で、奥さまとおられるケースが多いでしょう? もう一度プロポーズのつもりで「な?」と言ってみてくださいよ。

奥さまから「は?」と言われるでしょうから(笑)。

桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。