【元祖?本家?八ツ橋】

6月21日(日)

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京都八ツ橋の「元祖争い」 もはやコロナでそんな場合ではない


元禄vs文化の戦い

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 京都名菓「八ツ橋」の“元祖”を巡る争いに司法の判断が下された。

「井筒八ッ橋本舗」が、「聖護院八ッ橋総本店」に対して“表記”の差し止めと600万円の損害賠償を求めた裁判である。

争点は創業年だ。井筒は文化2年(1805年)創業で、聖護院はそれより約100年以上早い元禄2年(1689年)。これに、井筒側は「元禄2年に八ツ橋が存在したことを示す文献はない」と、2年前に京都地裁に提訴していた。なぜこのタイミングでの法廷闘争となったのか。

「外国人観光客によるインバウンド需要を受け、各社は西暦を併記するようになった。『文化2年』と『元禄2年』ならどちらが古いかよくわからないが、西暦だとはっきりする。“八ツ橋の元祖は聖護院だ”というイメージが定着していった。店でも聖護院の創業年がアピールされるようになり、売り上げを伸ばしていた」(経済部記者)

6月10日の地裁判決で「歴史の古さは必ずしも消費行動を左右するとはいえない」として、井筒の訴えは棄却された。神戸国際大学の中村智彦教授はこう語る。

「歴史の長い食品に関しては、その元祖がはっきりしないケースが大半です。どちらかと言うと、“言った者勝ち”的な要素が多いのも確かです」

原告の井筒は控訴については検討中とし、「正直な商売をしましょうと投げかけたまで」(総務部)と、不服な様子。ただ、裁判を続けているうちに京都はそれどころではない状況に陥っている。

「新型コロナで京都から外国人観光客が消えてしまい、すべてのメーカーが崖っぷち。元祖争いをしている間に奪い合う客がいなくなってしまった」(前出・経済部記者)

もはや争っている場合じゃない?

※週刊ポスト2020年7月3日号

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