【ANAとJAL】

3月5日(金)

皆さんこんにちは

今日の記事

航空業界は特に大きな赤字を抱えている

ゆえに公的資金の投入が半端ない金額となっている

JALとANAの経営統合があるかも?

雇用調整助成金の受給額 ANAとJALで「大きな差」のワケ

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航空業界は厳しい経営を強いられている(C)日刊ゲンダイ
航空業界は厳しい経営を強いられている(C)日刊ゲンダイ

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 企業が従業員に支給する休業手当の一部を助成する雇用調整助成金が増え続けている。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う特例措置が開始された昨年4月からこれまで(2月26日時点)、支給決定件数は267万115件、支給決定額は2兆9197億9200万円に上る。すでにリーマン・ショック直後(2009年度6534億円)の4倍を超えて拡大しているのである。

東京商工リサーチの上場企業「雇用調整助成金」調査によると、全上場企業3833社のうち16・9%にあたる648社が活用し、受給額は2878億4610万円に達している(20年4月から21年1月末まで)。

受給金額のトップはANAホールディングスで337億円と、2位の近鉄グループホールディングス(95億1700万円)以下を大きく上回っている。しかし、同社の10億円以上の受給を受けた59社のリストの中に日本航空はない。

航空業界は新型コロナウイルス感染拡大の影響で各社旅客数が激減し厳しい経営を強いられている。ANAの21年3月期第3四半期(20年4~12月)の連結決算は売上高5276億円と前年同期比66・7%減、営業損益は過去最大の3624億円となった。雇用調整助成金の支給額は、客室乗務員の8割にあたる約6400人を対象に一時帰休に入っているほか、グループ企業外への出向を進めた結果だ。

一方、日本航空の同期の売り上げは3565億円と前年同期比68%の減、純損益は2127億円とANA同様に赤字を拡大している。助成金について菊山英樹専務が決算発表の会見でこう余裕で答えている。

「最大限できるものは頂戴していきたい」

JALは10年の倒産時に組合との雇用確保の協定で一時帰休は実施していないが、「特例措置の拡充で出向やリモートワークでの教育訓練などを受けています。受給額は開示していません」(同社広報部)。

300億円を超す助成金を受けたANAと余裕のJALの差は、借入金の額を見れば明らかだ。

ANAは日本政策投資銀行や金融機関などから、これまでに1兆円を超える融資を受けている。一方、JALは「銀行借り入れや社債などを合わせ約3000億円」(同社広報部)。

航空評論家の鳥海高太朗氏がこう説明する。

「JALは経営破綻で借金を棒引き、公的資金の導入で大きな投資をせず、大規模なコスト削減で利益の出る体質をつくりました。その結果、1500億円前後の黒字が13年以降続き、手持ち資金で3000億円を超える内部留保がある。ANAは国際線や機材を積極的に増やすなど大規模な投資を続けたため利益幅も少なく、財務体質が脆弱になっていた。雇用調整助成金の受給額は厳しい会社の姿そのものです」

菅義偉首相のブレーンの竹中平蔵氏は、JALとANAの統合構想も視野にあるという。

今後のコロナの行方は、2大航空会社の先行きに大きく影響してくる。

(ジャーナリスト・木野活明)