【台湾の感染状況】
5月24日(月)
皆さんこんにちは
今日も☔
今日の記事
台湾も先日180人の感染発覚して、今は1500人以上と聞いた
多分一気に感染は広がるだろうな。
結局のところワクチンをいきわたらないとダメだ
時代の寵児 台湾のスター オードリー・タン大臣
ITデジタルを使ってコロナウイルス感染ルートを特定して抑え込みに成功しているが
どういう策を講じるのだろう?
台湾の感染対策“中国株”防御の裏に大陸による自由旅行封じ
コロナ対策“優等生”台湾感染急増のなぜ(上)
「台北の街から一夜にして人影が消えました!」
外務省OBで台北在住10年を超える邦人は目を丸くする。コロナ対策の“優等生”と日本では盛んに持ち上げられた台湾で新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大。5月15日には台北、新北両市の警戒レベルが4段階の上から2番目の「3」に引き上げられ、これまで感染者が出ていなかった南部、台南と高雄にも飛び火した19日には全島が警戒レベル3となった。19日現在、台北市と隣接する新北市を中心に感染者は1000人を超え、2人の死者を出している。
感染ルートの多くはいまだに解明されていない。フラッグキャリアーである中華航空外国人機長が感染、空港構内の中華航空直営ホテルのずさんな隔離態勢から同航空職員、ホテル従業員に拡散した説、台北郊外の芦州ライオンズクラブ会長が台北の風俗街で感染し拡大した説が現地メディアでは盛んに取り上げられている。しかし、感染者が爆発的に増えたためほとんどの感染ルートは解明されていない。
■厚労大臣を9割支持、持ちこたえてきたが…
「昨年以来、衛生福利部長(注・厚生大臣に相当)陳時中が指揮する中央流行疫情指揮中心(以下CECC)は適切な施策打ち出し、記者の質問には全て答えるという透明性抜群の会見から世論の9割以上の支持を集め、市民も陳部長の要請、指示に全面的に協力し、ここまで何とか持ちこたえてきたのですが……」(前出の外務省OB)
しかし、街から人影が消えてしまったのは、CECCへの信頼以上に漢族である台湾人の本領が発揮されたと在台フリーライターの本田善彦氏は指摘する。
「自分、家族、一族の安全は自ら守る、というのが漢族の伝統です。CECCの指示に全面的に協力してきたものの、最後は自分の身は自分で守ると外出を控えているのです」
コロナ対策の“優等生”と日本では絶賛しきりだった台湾の現状はどうなっているのだろうか。
コロナ対策“優等生”台湾感染急増のなぜ(中)
「昨年来のコロナ対策で忘れてならないのは大陸による台湾包囲網です」(民放の元台北支局長)
2019年8月1日、北京は台湾自由旅行を全面禁止した。翌年1月に台湾総統選挙を控え、民進党蔡英文政権再選を阻む切り札として自由旅行を封じた。爆買いを続けた大陸観光客の人影を台北の街で見ることはなくなった。
「19年12月の入境統計では大陸からの人流は5000人余り。武漢での感染爆発は年が改まってからですから、中国株は習近平のおかげで台湾にはほとんど入らなかった。これこそ台湾が感染を抑え込めた大きな僥倖です」(前出の元支局長)
昨年来のコロナ対策はスーパースターを出現させた。行政院政務委員(無任所大臣)唐鳳(オードリー・タン)、その人である。トランスジェンダーでIT天才の異名をとる彼は、マスク争奪戦を在庫量とIDカード・健康保険証とを紐づけることで平等な購入・分配を実現し一躍時の人に。日本メディアの寵児となったばかりか日本の地方首長らがコロナ対策の秘策の教えを請うてオンライン会議などが相次いで開かれた。
「薬品・マスクの在庫管理などはメーカーであればどこでもしていること。しかし、IDカード・健康保険証との紐づけは民間にはできない。これに関しては評価せざるを得ませんが……」
■マスク平等分配では有事体制が力を発揮
「それと有事法制、有事体制が大きな力を発揮しました」(前出の早田氏)
台湾当局はCECC(中央流行疫情指揮中心)の衛生福利部長(厚生大臣)陳時中にコロナ対策の全権を移譲。保健・医薬関連にしか紐づけを許されていなかったIDカードと健康保険証を超法規措置としてマスクにも拡大することができたのだ。
しかし、在日台湾外交部OBは首をかしげる。
「今回の感染爆発後、唐鳳の姿はまったく見えません。声も聞こえず政策的な取り組みも全く見えてこない」
コロナ対策“優等生”台湾感染急増のなぜ(下)
「今回の感染爆発、次に待ち受けているのは日本同様ワクチン争奪戦です」(民放の元台北支局長)
日本ではようやく医療従事者、高齢者からワクチン接種が始まったが、現場は混乱し接種のスピードは加速化しない。ところが台湾は周回遅れの日本からさらに周回遅れなのだ。調達できたワクチンは、副反応から日本では接種されていないアストラゼネカ製18万人分だけ。それも感染爆発で使い切ってしまった。接種率は日本の足元にも及ばない1%以下である。
「これからワクチン争奪戦に突入しても入手は相当困難。アメリカは台湾のWHO(世界保健機関)出席を後押ししてくれましたが、そんな、口先介入だけじゃなくファイザー製ワクチンをなぜ優先供給してくれないのでしょうか?」
台湾外交部OBは不機嫌になった。
ワクチン争奪戦への本格参戦を前に、台湾では「蔡英文が菅義偉に倣ってアメリカと直談判せよ」との世論が高まっている。蔡英文は台湾でのワクチン製造の号令をかけ、7月にも接種を始めると宣言してしまった。
「街から人影が1日で消えたのは政府を信用するより自分の身は自分で守るという漢族のDNAによるもの。開発はともかく治験に十分な時間をかけないワクチンを台湾の誰が喜んで接種しますかね」(前出の台湾外交部OB)
台湾のワクチン不足を見越して北京は中国製ワクチンの台湾供給を打ち上げた。
「民進党蔡英文政権は反共嫌中を集票マシンに再選を果たしましたが、生命の危機を前に中国製ワクチンを目にしたら、現実的で君子豹変が十八番の漢族が民進党と共産党のどちらを選択するのか、けだし見ものです」(前出の民放元台北支局長)
台湾コロナ感染爆発を受けて在台邦人、在日台湾人に取材してみれば、昨年以来の台湾礼賛、絶賛とは正反対の現実が浮かび上がってくる。
「反中から過度に台湾を評価する、そうした台湾幻想、妄想がコロナ対策の“優等生”という幻を見させたのです。経済力、軍事力を増大させる中国に正対しなければ日本は将来を誤りますよ」
横浜市立大名誉教授・矢吹晋は台湾コロナ“優等生”報道の背景と今後をこう喝破した。
=敬称略(おわり)
▽甘粕代三(あまかす・だいぞう)1960年、東京生まれ。
早大在学中に中国政府給費留学生として2年間、中国留学。卒業後、新聞、民放台北支局長などを経て現職。時事評論、競馬評論を日本だけでなく中国・台湾・香港などでも展開中。