【震災のお礼に】

6月6日(日)

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いいお天気です

今日の記事

日ハムの王選手(台湾出身)も試合後お礼をの言っていたが

英・アストラゼネカ製は有難迷惑になってしまった

友情か政治利用か 台湾へのアストラワクチン支援に

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台湾の葵英文総統は感謝でも…(C)中央通信社=共同
台湾の葵英文総統は感謝でも…(C)中央通信社=共同

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 コロナ対策“優等生”から一転して防戦一方となった台湾に、日本からアストラゼネカ製のワクチンの供与が検討されることになった。台湾総統・蔡英文は「深い友情に心から感謝」とツイッターに投稿、政権周辺からは感謝が連発された。

感謝を連発するのも無理はない。コロナ感染爆発を受け蔡英文政権は再選以来、最大の危機に直面しているのだ。感染爆発は“優等生”の仮面を見事に引きはがした。台湾は昨年以来、水際対策に全力を挙げる一方でワクチン争奪戦には全くの無為無策だった。アストラゼネカ製約20万人分を備蓄するだけで、血栓の副反応の恐れがあるため誰もが接種しようとしなかった。それが感染爆発で医療関係者らへの優先接種により底をつき、支持率は急下降していたのだ。

「最大野党の国民党からは、東日本大震災の際、台湾は200億円を上回る義援金を日本に送った、日本は台湾のこの緊急事態に拱手傍観するのか、対日関係は史上空前の良好と胸を張る蔡英文政権は何している! との声が上がり、政治問題化させていましたから」(全国紙元台北支局長)

英アストラゼネカ製の新型コロナウィルスワクチン(同社提供)
英アストラゼネカ製の新型コロナウィルスワクチン(同社提供)

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毒を送るのと同じこと

 しかし、台湾民間の受け止めは大きく異なる。アストラゼネカ製に大きな懸念が出ているのだ。台湾中立系新聞前社長は疑念を隠し得ない。

「日本はアストラゼネカ製を使っていない。それを台湾に供与するというのはゴミどころか毒を送るのと同じことだ!」

日本政府は副反応発生時の補償は供与時期、経路などと併せて早急に検討するという。一方で、台湾への自国産ワクチン無償供与を2度にわたって申し入れ、蔡英文政権に拒否された中国が、台湾はワクチンを独立のために政治利用していると強い不快感を表明した。

「大陸に隣接する台湾の金門島、馬祖島の住民は密かに大陸に渡ってワクチンを接種している。大陸製ワクチンの効力はアストラゼネカには劣るが副反応も小さいといわれているからだ」(前出の台湾中立系新聞前社長)

友情なのか、政治利用なのか――そんな議論はコロナウイルスの前では台湾海峡両岸の風前の塵。漢人が現実的であることは世界に冠たるものがある。その現実的判断は逆に政治、外交に大きな影響を及ぼすことになろう。

「せっかくの友情、東日本大震災時の義援金への謝礼であるAZ社製ワクチンは、台湾では孤児にならざるを得ない。いずれオセアニアや南米あたりの中華民国を承認する弱小国にお裾分けされるんじゃないですか」

(売文家・甘粕代三)