【淡路大観音像】

7月3日(土)

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ようやく解体が決まった

解体費用6億円!淡路島の不憫すぎる巨大観音像…「国宝だって維持管理は大変」と研究家

公開日: 更新日:
解体するのに6億円…(兵庫県・淡路島の「世界平和大観音像」)/(C)共同通信社

解体するのに6億円…(兵庫県・淡路島の「世界平和大観音像」)/(C)共同通信社

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 兵庫県淡路市にある巨大仏像「世界平和観音像」の解体工事が6月14日から始まった。観音像の本体は80メートル、土台を含めると100メートル。1977年造立当時は世界最大だったが、老朽化による崩壊の危険が囁かれ、近年は「迷惑観音」「脱力スポット」などと呼ばれてきた。

建設したのは島出身の奥内豊吉氏。大阪での不動産ビジネスで財を成し、私財を投じて観光客を誘致しようと平和観音寺を建設した。ただ、寺と名はつくが宗教法人格は取得していない。寺の中心は観音像だが、施設内には自動車コレクションや自由の女神像も展示され、その支離滅裂ぶりからマニア好みの「珍スポット」扱いされてきた。

そんな奥内氏は88年に死去。営業を継続した彼の妻も06年に他界した。その後、施設は閉館され、「像の腹部が台風で飛んで落ちたという苦情などもあった」(淡路市危機管理課)という。荒廃の一途をたどってきたわけだ

■価格2億円に対し解体費用が6億円

当時、施設を購入しようとした男性(61)は「買い付け価格は2億円もしなかったけど、解体費用が6億円かかると言われて買うのはやめた。よくあんなもん海辺に建てたね」と話す。

この観音問題について、市は「世界平和大観音像検討委員会」を設置。「空き家条例」の適用による解体も検討されたが、結局、相続放棄によって20年に国(近畿財務局)が取得。ようやく解体が決まった。

「相続する人がいなかったことが不憫ですね」と話すのは「仏像の光と闇」などの著書もある神仏研究家で音楽家の宮澤やすみ氏(51)。

「いまコロナ禍で大変です。昔は疫病がはやったり戦や天変地異があると神仏に頼るしかなかった。世界平和観音像は観光目的でしたが、戦後昭和のコンクリート大仏も戦争慰霊の目的で造られていたりします。そもそも発願者(仏像制作の発起人)は、自分が造らせた仏像が後世に残ることを念頭に置く必要があります。今回の件はコンセプトが甘かったと言えるかもしれません」

平和観音像は50年も持たなかった。

「仏像の維持管理は奈良の大仏の時代からずっと大変なことで、残された人たちの行動にかかっているんです。奈良・東大寺の廬舎那仏も、永禄10(1567)年に兵火で損傷し、その後、100年以上も修復できなかった歴史があります。令和の現在でも、国宝指定されている聖林寺の十一面観音の維持に住職が苦労されていて、収蔵庫の改修のためにクラウドファンディングで寄付を集めている状況です。国宝の仏像でさえそんな調子ですから、どの時代も仏像の維持は困難なことなのです。巨大であればなおさらということですね」

仏像やお墓などは壊したり捨てるのが特に気が引ける。勢いだけで造ってはいけないということだ。