【ふたりの独裁者】

3月8日(火)

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独裁者の共通点

ウクライナ侵略でプーチンが犯した「2つの過ち」

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ロシアのプーチン大統領(左)とスターリン(C)ロイター/Sputnik/Kremlin
ロシアのプーチン大統領(左)とスターリン(C)ロイター/Sputnik/Kremlin

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 日本が最終的に降伏の意思を固めた理由は、日本本土が徹底的に爆撃され国民に厭戦気分が広まったためとか、広島・長崎への原爆投下、ソ連が中立条約を破って宣戦布告したことなどがすぐに考えられる。頼りにしていたドイツが降伏し、日本1カ国で世界の国々と戦争を継続していることの異様さが限界に達していたことも理由に挙げられるであろう。

いずれにしても近代日本は、太平洋戦争の敗戦によって近代史の振り出しに戻ったような状態になった。便宜的に言うならば、明治維新から、この敗戦(1945年)までは77年間になる。この期間に鎖国を解き、国際社会の荒波の中を生き抜き、先進帝国主義国の後を追って、いわば一等国になった。ある時期からは、ほぼ10年おきに戦争を続けて、国益の幅を広げた。そして、解体したのである。このコースをなぞってみると、幾つもの特徴が浮かんでくる。77年間の反省点は改めて整理する必要があるであろう。

そして戦争に敗れて新しく始まった現代史は、1945年から現在(2022年)までが期せずして77年間である。なんのことはない、近代史と現代史は時間的に重なり合うのである。時代の様相は大いに違うとも言えるのだが、この重なり合うことを縁と考えるならば、近代史と現代史はひとまず終わったというように考えていいかもしれない。

現在のところ日本は直接の関係があるわけではないが、ロシアのウクライナへの軍事的侵略行為によって、国際社会がある変化をし始めたという見方をすることができる。まだはっきりとは断言できないが、人類史は21世紀の秩序、思想、そして政治力学を確認する試みを行っているようにも見えてくる。

 日本はそれにどのように振り回されることになるのか。あるいは、そういう動きに日本独自の行動基準、思考の深みを持って対応できるのか。そのあたりの姿勢を確立しておかなければならないであろう。

ロシアのプーチンは今回の行動によって、2つの過ちを犯した。1つは20世紀のソ連帝国の手法、思想、行動を全く清算していないことだ。もう1つは反民主主義のリーダーとして世界史を再編成しようとしていること。日本の降伏時のソ連のスターリンの態度が大いに参考になるのである。

保阪正康
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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が新書版「陰謀の日本近現代史」(朝日新聞出版)として好評発売中。

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